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映画「お終活3 幸春!人生メモリーズ」香月秀之監督インタビューVol.2

oshukathu3.jpg 第1弾「お終活 熟春! 人生、百年時代の過ごし方」(2021)、第2弾「お終活 再春!人生ラプソディ」(2024)。 そして、「お終活」の根底にある「愛」をさらに深掘りし、家族に寄り添い、ぬくもりと幸せを分かち合う「お終活3 幸春!人生メモリーズ」が全国の劇場で公開中です。

本作のテーマは【人生メモリーズ】。それは、誰の心にもある、かけがえのない思い出の数々です。しかし、家族の名前さえ思い出せなくなる母――そんな現実に向き合うとき、家族は、何を支えに前を向けばいいのでしょうか。親の変化をきっかけに生まれる葛藤や戸惑い。それでも息子は、周囲の温かな手に背中を押されながら、もう一度"絆"を結び直していきます。「終活」とは、人生の終わりの準備ではなく、これからをよりよく生きるための前向きな選択。お終活シリーズ第3弾は、笑いと涙を織り交ぜながら、人生を愛おしく見つめ直す時間を届けます。

前回の記事に引き続き、香月秀之監督にお話しを伺いました。
(※この記事はイチヤナギ倶楽部 会報「こんにちは」81号に掲載したものを一部抜粋しております。)


◆あらすじ
 大原真一(橋爪功)と千賀子(高畑淳子)夫妻の長女・亜矢(剛力彩芽)がついに婚約者・涼太(水野勝)と結婚を決意する。しかし、結婚式を目前に控えたある日、亜矢が放った何気ない一言が、二人の間に深い亀裂を生んでしまい、その波紋は両家をも巻き込み、大波乱の展開へと発展する。一方、真一の後輩である加藤博(小日向文世)は、母・加藤豊子(三田佳子)の認知症を受け入れられず、つい強い言葉で接してしまう。そんな博に千賀子は「認知症でも、心は忘れていない」と語りかける──。

【監督インタビュー】
――映画のポイントはどんなところにありますか?
 
『お終活3』main.jpg 認知症は、終活を考えるうえで避けて通れない重要なテーマです。実際に、認知症の親を持つ友人・知人から話しを聞き、親と子どもの想いをリサーチしてみると、子どもは親の言動に対して、ささいなことに腹を立てたり叱ったりすることがあると言い、親も感情をコントロールできず、子どもに逆切れすることもあるという事実を知りました。そうした状況の中にいる人たちに前向きな材料はないものかと探ってみると、音楽が記憶を喚起し、認知症に良い影響を与えることや、日記を書くことで脳の神経を活性化させ物忘れを防止するなどの療法が注目されているようです。そうした要素を取り入れつつも、本作で大切にしたのは、認知症の人にも「心」「思い出」「生きてきた歴史」があるということ。忘れてしまう姿だけを見るのではなく、その人が歩んできた人生に目を向けてやさしく寄り添うことで、親子の絆をあらためて結び直す──「愛」をテーマにしてきたこの映画らしいメッセージをお届けできたらと願っています。

――映画の製作で想定外の出来事はありましたか?

『お終活3』sub_07.jpgまさかの主題歌誕生―「神さまの言うとおり」。
 本作第3弾の脚本会議において、劇中で千賀子が所属する合唱団「プリムラエコール」に、さだまさしさんの楽曲を歌っていただく構想が持ち上がりました。私が候補として挙げたのは、親子の情愛を描いた名曲「無縁坂」。作品テーマとの親和性の高さから、具体的な検討が進められました。その過程で、近年俳優としても活躍されているさだまさしさんに、出演の可能性を打診する案も浮上。プロデューサーが交渉にあたりましたが、全国コンサートツアーと日程が重なり、出演はスケジュール上困難との結論に至りました。

 しかしながら――出演は叶わなかったものの、本作のために主題歌を書き下ろしていただけることが決定しました。主題歌のタイトルは「神さまの言うとおり」。さらに、2026年5月より開催されるさだまさしさんの全国43公演ツアーのタイトルも、映画主題歌と同名の「神さまの言うとおり」に決定。製作陣にとっても想定外の、まさに"まさか"の展開となりました。こうして本作に、劇中音楽の柱が加わることとなり、物語はより一層、深みと広がりを見せてくれました。

――この映画の印象的なシーンを教えてください。

――クライマックスの涼太と亜矢の結婚式も重要な場面ですが、私にとってひときわ印象深いのは小日向さん(息子)が三田さん(母親)を遠方のヒマワリの畑に連れていくシーンです。夏の山梨での撮影でしたが、開花のタイミングが不確実なのに撮影日は動かせない状況のなか、万一に備えてCGの準備も進めていました。迎えた当日、畑一面に咲き誇るヒマワリが私たちを待っていてくれました。自然の光と風をそのまま映し取ることができたのです。あの場面は、親子の想いと自然の力が静かに重なり合う美しさがあります。ぜひ、皆さんに大きなスクリーンで体感いただければと思っています。

香月監督、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

映画「お終活3 幸春!人生メモリーズ」5月29日(金)よりミッドランドスクエア シネマ、全国のイオンシネマにて絶賛公開中です。

ぜひ、劇場へ足をお運びください!

◆香月 秀之監督 プロフィール
東映京都撮影所の助監督として映画界へ。1996年『不法滞在』で劇場映画デビュー。『借王・シャッキング』シリーズでは、映画・ドラマ化で絶大な人気を博し、『KUMISO/組葬』(02)では第57回毎日映画コンクール日本映画ファン賞を受賞するなど、高い評価を得る。『yoriko〜寄子〜』(07/モナコ国際映画祭ベストオリジナルストーリーアワード受賞)、『君が踊る、夏』(11/朝日放送60周年記念映画)、『明日に架ける愛』(12/日中友好40周年記念作品)など、とにかく観客を楽しませたいと社会派からコメディまで幅広いジャンルで精力的に作品を発表し続けている。

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